とらのたなばた [随筆 猫]
むかしきいた たなばたのおはなし
むかしみていた たなばたかざり
いまはいずこか・・・
のきしたはじだいの
かぜがふきぬけていた
大きな大きな天の川で
離されてしまった、あたいの大好きなものの夢を・・・
昨日の夜、お母ちゃんたちが言ってたんだ!
明日は七夕だから、願い事を短冊に書かなくっちゃ・・ってね。
だからあたいも、昨日から願い事をいろいろ考えて・・・
かんがえて・・・。
願い事を短冊に書き終えたら、
ちょっと安心しちゃったみたいで、そのうちついうとうとと・・・。
そしたら、なんだかいろんなオモイがグルグルあたしの頭ん中を渦巻いて、
変な夢を見ちゃったみたいなんだ。。。
お願い事の短冊に、
「ブリの冊が食べたい トラ」
って書いて、しっかり握り締めたんだけどなぁ。。。
なのに、せっかく手に入れた大好きなブリのお刺身の冊が、
ひとりでどっかへ飛んでっちゃって、
川のこちらと向こう岸に、離れ離れになっちゃったのよぉ~
だから、大きな声で叫ぼうと身構えたとき、
耳元のヒソヒソ声と、クックックッっていう変な笑い声が聞こえてきて、
目が覚めたってわけ。
まぁ、これでブリの冊切りのお刺身とは離ればなれにならないはずだから、
よかった・・・って言えばよかったのかしら?
でも、これは夢よねぇ~
夕方になったら、あの子達が、
せっかく短冊に願い事を書いたのだから、
今から買いに行ってくるから、楽しみにマッテテネって♪
あたいはもう、うれしくてうれしくて、
ワクワクしながら待っていたんだ!!
なのに、待てど暮らせど帰ってこない!!
ブリの冊切りもあの子達も!!
一時間をずいぶんと越えたころ、小さな箱を抱えたあの子達が帰ってきたの。
「遅かったじゃないの!!」と、悪態をつきながらも、
顔はニャケまくって、足元も軽く冷蔵庫の側へ。。
先ずは氷を取り出して、冷凍庫に収納・・。
もひとつ氷を取り出して、冷蔵庫へ・・・・・
次はあたいの番だと、背伸びをして箱の中を見ると・・・。
中には小さなブリのお刺身パックが・・・。。。
あ・あ・あたいの憧れのあのブリの冊がどこにもにゃい!!!!!!!
にゃっ にゃっ にゃぜぇ~!!!!!
今日は、ブリのお刺身がセールだったから、
冊にしてあるものは売ってなかったんだって!!
他のスーパーもいろいろ回ったんだけど、お刺身さえなかったんだって!!
そんにぁ~(泣)
あんまり悔しくって、にゃあにゃあと泣いていたら、
お母ちゃんがあたしの七夕の短冊を拾って、
「あら、トラちゃん!!」
「短冊にお願い事を書いたら、笹の葉に吊るして軒に立てかけておかなくっちゃだめなのよ」
ですって!!!
どういうことぉ!!!
それなら、もっと早くに教えておいてよぉ~と、ますます大声で泣き出したあたしを見て、
あの子達が、明日はきっと買ってきてあげるからね・・・って。。
あたいの書いた七夕の短冊に紐を通して、
小さな笹竹の葉っぱにくくりつけてくれたんだ。
あしたはきっと、願いが叶うかなぁ・・・
それでも、にゃんで・・・
七夕の日に願い事をするんだろう?
不思議だにぁ~
いちねんにいちど
いちばんたいせつなひとに
あうことができるという
ほしの ねがいごと
ねがいごとが かなうしあわせを
あわせてあげたい とねがうこころに
やさしい星からのおくりもの
どうか みなさまが
しあわせをかんじられますように・・と
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ぶり、柵食べたい・・・かわいいお願い事ですね。
いいお話ですね。七夕は特別な日ですものね。
by OMOOMO (2010-07-09 23:57)
OMOOMOさん、こんばんは。
読んでくださって、ありがとうございます。
歳をとったトラは、やわらかなお刺身が食べやすくなったようで、
なかでも、冊切りのブリやハマチが、御好きなようです^^
だから、ここぞとばかりのお願いだったのですが・・・。
シーチキンの缶詰で、なんとか我慢してもらいました^^
by ゆめ乃 (2010-07-14 02:52)