ちょっとだけ [随筆 色いろ]
でこぼこの かげぼうし
せのびしたら くっついた
ちょっとだけ おそいゆうぐれの
ちょっとだけとおまわりした かえりみち
ちょっとだけ 梅雨に近づいて
ちょっとだけ うっとうしくなる晴れた日の夕方
ひさしぶりに裏の川に足を延ばすと
光にすけて見えなくなっていた 雲霞(うんか)柱の中に突っ込んでしまった
手を振り回し 頭を低くして
端から左に折れる堤防を小走りで奥へと進む
上目遣いで空を見上げて
ここいら辺りならば、虫も少し少ないかしら? などと
頭をあげてみて もうちょっとと走り逃げる
頃合いの良い場所まで行って 夕日を眺める
後ろでは「虫が口に入ったぁ~」とわめいている奴がいる。
「まんでツバメさんみたいやねぇ」と笑うあたし
口をあけながら突っ込んでいくツバメの姿を思い出し
二人で大笑いする
「大口を開けて、あんな虫だまりの中に突っ込んでいったら、
喉まで満々に虫が入ってきて、喉が詰まっちゃうよね」
「いっぺんでおなか一杯になっちゃうかもね」
なんて・・・
麦畑の虫柱は、本当にでっかいから、
夕日にあたるときらきらきれいな時もある
でも、堤防のの虫だまりはちょうど頭のあたり。
うぅ~ 泣く!!
と、そんな虫たちと格闘しながら、雲から出で来る夕日を待つ。
ちょっとだけ 梅雨に近づくこの頃
雲もいい具合に
湿気もいい具合に
夕日も 夕焼けもいい具合に・・・
しゃがんで虫たちをやり過ごしているうちに
お日様も もうお休みのころ
あれだけうるさかった虫たちも、ずいぶんと少なくなってきたような・・・
今度はまっすくに立って
来た道をスキップで戻っていく
ツバメたちも もうねぐらへと戻ったろうか?
んなことを考えながら あたしたちも帰路に就いた
ちょっとだけ 夏に近づく
ちょっとだけ
あなたに近づく
そんな ほっこしした夕暮れのもどり道
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ずいぶんとご無沙汰してしまいました。
いつも気にかけてくださった皆様、本当にありがとうございました。
また、ぽちぽちと・・・
ほっちり ぽっちりと 何かを書き進めていきたいと思います。
また、お付き合いいただけましたら幸いです。
今日も見てくださって、ありがとうございます。
これからも どうぞよろしくお願いいたします。
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