おけしょうのにほひ [随筆 猫]
ふと はなをくすぐるにほひに
かすかなきおくが
あらはれては きえて
てんかふ べびーぱうだー しっかろーる
こなおしろい おしろいこ ほおべに
誰か、お母さんの化粧品箱
ひっくり返したぁ~?
そこはかとなく薫る
なんともいえぬ 甘い香り
麝香の香り?
それはまだあたしがちぃさい頃の
ある日のお風呂上り・・・
満月のきれいな夜のことでした。
裏の湿地に新しい菖蒲湯に使う葉っぱが伸びてきていたし、
畑の周りのヨモギも結構大きくなってきていたから、
まだ時期は違うけれど、菖蒲湯でもしましょうか?と、母。
蓬の香りはとてもいいから、賛成だよと、父。
かくして、その夜の我が家のお風呂は少し早めの菖蒲湯に^^
そしてその香りは、みんながお風呂から上がって
お茶などを飲みながら寛いでいるときに香ってきたのでした。。
最初のうちは、お風呂上りにつけた母の乳液の香りだろう・・なんて思っていたんだけど、
なぜかその香りはもっと華やかで、粉白粉のような香りがしました。
母に尋ねると、
「こんな寝る前に、お化粧なんてしないわよ!」と。。。
それでも、どうしても気になる匂い。
その正体は、なかなか分かりませんでした。
それから数日した、ある日の午後。
少し長いお散歩から帰ってきた猫が、あたしの足元をすり抜けて行ったとき、
また、あの香りが微かに匂ってきました。
「ちょっと待ちなさい!!」と、あたし。
ギクッとして立ち止まり、ゆっくりと振り返る猫。
あたしは帰ってきたばかりの猫をむんずと掴まえて、
ムギュッと抱きしめると、
バフッと顔をふわふわとした柔らかな毛の中に埋め、
クンクンと鼻をならしてにおいを嗅いでみた。
すると、微かににおっていたその香りが、どんどん大きくなっていって、
猫を抱きかかえていた手にも、その匂いが移ってしまうほどに。。。
お化粧箱もひっくり返していないのに、
どんな白粉の匂いよりも芳しいその匂い。
猫でも女の子は、こんな匂いがするんだわねぇ。。
恋をする頃の女の子は、すべての者達が、
自分を素敵に見せようと、いろいろ工夫をするんだなぁ・・・なんてね^^
あなたを振り向かせる 微かな香り
あなたを虜にさせる
甘い香り
麝香といわれる香りは
怪しく 妖しく
あなたを煙に巻く
とても不思議な 猫の媚薬
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ご訪問ありがとうございます。
洗練された、文章、やさしい写真、ゆめ乃さんワールドですね。
by OMOOMO (2010-07-01 19:19)
OMOOMOさん、こんばんは。
こちらまでお越しくださいまして、ありがとうございました。
そういっていただけると、うれしいやら、こそばゆいやら。。。^^
それでもこの言葉がチカラとなって、またあたしを調子付かせてしまいそうです(笑)
OMOOMOさんのところで見せていただいた、チカちゃんの絵や、
たくさんの猫ちゃんの絵は、とてもあったかで可愛らしかったです。
見せていただけて、本当にうれしかったです。
ありがとうございました。
by ゆめ乃 (2010-07-03 02:44)
ご丁寧なコメント、ありがとうございます。
ゆめ乃さんとは、チカちゃんが引き合わせてくれたと
不思議な縁を感じます。素敵な文章と、写真で
和ませてください。
by OMOOMO (2010-07-03 18:10)
OMOOMOさん、こんばんは。
ほんとうにチカちゃんの引き合わせてくれた素敵なご縁と、
心からうれしく思っています。
ありがとうございます。
OMOOMOさんの手術が、両目ともうまくいって本当によかったです。
最初にお伺いしたときのトップ記事が、片方の目の手術のあとだったので、
見え方の違いなどがあるとのことで、大変だなぁ・・なんて思っていました。
両方の目が、同じように明るくなって、
またいろんなものを見るのにも楽しみも増えそうで、本当によかったですね。
父が白内障の手術をしたときも、
あの目を開けてする・・ということが、
とてもいやな感じだったといっていたことを思い出しました。
OMOOMOさんも、そんな思いをしたのかしら?と思うと、
三度目はいやだ!!とおっしゃってたことが、少し分かるような気がしました。
これから、ゆっくりと目を慣らしていってくださいね^^
by ゆめ乃 (2010-07-05 01:55)