きらいなもの [随筆 色いろ]
だいっきらいに ならないよう
おまじないを おしえてよ
うみのきらきら だいすき
お母さんが、「ご飯だよ!」って呼んでいる。
今日のおかずは何かなぁ・・・
んなことを考えながら、階段を駆け下りる。
お皿の上には、鮭の西京漬の焼いたもの。
「おかあさぁん・・・これ苦手!!」
「いやなら残しておきなさい。 お母さん、明日食べるから。」って。。
一口だけ、パクッ!!
やっぱり苦手!!
なんとなくお酒っぽくって、変な味だし・・・。
きらい きらい きらい
いやだ やだ やだ
食べたくなぁ~い
そんなことを言いながら、もう一口パクッ!
お母さんは明日食べるからって言ったけど、
すっかり冷えちゃったものを食べることになるんだよね。
それに、これは妹のお土産のはず。。
せっかくあたしたちのことを考えて、いろいろ頭を悩まして、
選んでくれた贈り物。
そんな気持ちを考えると・・・。
妹に向かって、あれはまずかったから、もういらない!!とは、言えないよね。
ちょっと苦手なものだけど、
まずいけれど、もう一口。
ああ。。まずい・・・・・。
でも、ちょっと待って!!
こんなにまずい、きらい、って言って食べてちゃ、
せっかくの味がますます美味しくなくなっちゃう。
嫌いだけど、まずいけど、苦手だけど・・・・。
美味しい おいしい 美味しいって言いながら食べてみたらどうだろう。
おいしい パクッ おいしい パクッ 美味しい美味しい
パクッ パクッ 美味しい パク おいしい パク
気付けば、お皿は空っぽに♪
どんなに苦手なものでも、
美味しいおいしいのおまじないで、
食べちゃえるものなんだね。
とっても苦手なものだって
とっても苦手な人だって
たまには苦手を遠くに置いて
美味しい 美味しいって食べてみたり
意外といいやつかも と思うだけで
もしかしたら
ほんの少しだけ
きみの世界が広がるかもしれないね
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