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やままもり [随筆 自然]






まいはし・・・と
こわだかに さけぶのもよいが

ちいさなものをみて
おおきなものを
みのがしてしまわないようにの






むかしむかし 聞いた話じゃ

そのむかし、船箪笥を造る職人達が、
切り落として残った木っ端をもったいないと思い、
薄く削って、割り箸を作っていたそうじゃ。





またあるときは、山を守る者達が、
山の奥まで光を入れるために間引いた間伐材を
そのまま朽ち果てさせるのは、不憫なことと、
割り箸を作って売ったそうな。。。

そこで稼いだ小さなお金は、
大きな山を守るための、大切な資金となったそうじゃ。。

そして時は流れて、町が大きくなると、
割り箸の需要が増えてゆき、
山もまた、守り伝えようとする者達が増えていったそうじゃ。
しかし、割り箸がたくさん売れると知ると、
強欲な町の問屋が、ちょいと頭をひねり、
海の向こうの異国の人たちに、安い安い割り箸を作らせ、
自分で売って歩いたそうじゃ。

すると、いままで山守や職人達の作る割り箸を、
山のため・森のためと買っていた人たちでさえ
安い安い、異国の割り箸をこぞって買ったという話じゃ。

それはそれで、商人として
または町のそれを買う人たちの生活の知恵では有ったが、
彼らは、それから先のことまでは、何にも知らなかったんじゃよ。

たとえば、ここらの山から切り出して
割り箸を作っているものたちは、
木を切ったら、また新しい木を植えていき、
切りくずは炭にしてまた山に返す。
炭屑は山の土を浄化し、木々をイキイキとさせ・・・また切り倒す。
山は手入が行き届き、水もしっかり含む自然のダムの役割もして
町人の暮らしを守り続けていることを。。。





町の人たちは、ある日よく分かってしまったんじゃ。
異国からやってくる割り箸は、
その異国の人たちが、
売ることだけ・作ることだけ・設けることだけを考え始めたため、
山が丸裸になるほど、木を切り倒していたってことを・・・。
そして、丸裸になった山には見向きもせず、
次の山の木に、手を伸ばしていったことを・・・。

町に住む人たちは、これは大変だ!!と・・・。
これでは異国の地の山が、全部丸裸になっちまう!!
慌てた町人たちは、割り箸を使ってはいけない!!と、叫びだした。
自分の箸を持って歩きゃ、割り箸なんぞ使わなくてすむ。
割り箸は悪だ!!
割り箸は使うな!! 作るな!! と、言い始めたのじゃ。
そこで、最初に槍玉にあげられたのは、職人や山守の者達が作っている割り箸じゃった。
なんたって、山を守る目的も備えて売っていた割り箸。
異国のものより、多少高いのは当たりまえじゃったからの。
商人は、その高いほうだけを切って見せて、
「ほれ、この商人も自然を大切にしていますよ」なんて顔をして見せたんじゃ。

そんなこんなで、割り箸さえも売れなくなってしまった山を守っていた人たち。
山を守るための資金も底を突いてくると、
どんどん山から人が離れて行ってしまい、
木を切り出す人もなく、間伐をする人も無く、
ましてや、新しい木を植える人もなくなってしまったのじゃ。。

そうなると山は荒れる。
今まで山奥に住んでおった山の生き物達も、
住み心地の悪くなった山を見捨て、
里へ・・・里へとおりてきてしまう。
だから、里も荒れてしまう・・・なんてことになっちまったんだとさ。

すべての人が、右へ倣えのこのご時勢。
もちろん、「まいはし」は大切なことだけれど、割り箸も否定せず、
山を守るために、国内の間伐材と
製品などを作った後に出る余材木で作った割り箸だけは、
積極的に活用するようにしてみてはいかがかな?





少しお高い国産割り箸は、
自然を守る・山や森や里を守ることに参加する参加料と考えて、
割り箸を使って、エコに協力している感覚で♪

また、割り箸はそれと木屑を炭にして、山に巻いて山を守ることに活用する。
そして山を活性化させ、林業に従事する方を増やしていくことも、
大切なことなのかもしれません。



何が大切かは、まだまだ分からないものかもしれませんが、
エコについて、一人ひとりが考える・・・ということが、
とても大切なのだと思います。

そして、そのときの視野は広く捉えて、
ひとつのことに、固執しないことが、
とても大切なのだと思います。






** 追伸 **
2010年 7月23日に、少し手直しをしてホームページの方に音楽つきでアップしました。
ちょっぴり違う雰囲気もあると思います。
よろしければ、リンクをクリックしてお越しくださいませ。




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