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しんくろ [随筆 猫]





おなじときを
おなじようにすごす

おなじようなことが
おなじようにおこる

しんくろにしてぃ







べつに、そんなこと一緒に起こらなくてもいいのに・・・
って思うことが、時々起こってしまうことがある。

たとえば、年老いた猫が少し体調を崩してしまったとき、
同じく、年老いた父が体調を崩してしまったり・・って。


別にそんなこと、一緒に起こらなくてもいいのに・・って思うことが、
一緒に起こってしまい、
多少残っている私の魔法のチカラも、
ふたつに分散してしまって、効力が弱くなる。


どちらかに傾けて使えばいいものを、
それさえ出来ず、
ただ、おろおろするばかり。


病気の宣告をされ、検査切除しただけだったのに、
医者の怠慢か何かか、未熟なだけだったのか・・・。
日帰りで大丈夫だった検査が、長い入院となってしまった。

いつも父の帰りを待って、ご飯をねだる猫は、
ねだる相手がいないので、
ますます食が細くなって・・・。
鼻は相変わらずグシュグシュだし・・・。。


頼りあう相手がいなくなると、
お互いの歯車がちょっとずつずれて、
少し傾いたほうで、悲鳴を上げながらシンクロする。


出来ることなら、
なるべく早く、歯車を取り替えて、
軽やかにシンクロできるように願って止まない。



老猫はまた、留守中の父の椅子の脇に座り、
大きなくしゃみをしている。
きっと青っ洟でも出しているのだろう。
後で拭いてやらなければ・・・。








そういえば、少し調子がよくなったのか、
先ほど少し庭に出ていたようだ。

それが証拠に、彼女は可愛らしい花飾りをつけて帰ってきていた。
サクラソウの花簪だ!


なにか、よいことの起こる前ぶれかもしれないね。


また二人して、なかよく元気になっておくれ




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